72の法則とは?複利で資産が2倍になる年数を計算する方法と注意点をやさしく解説

72の法則を使って、複利で資産が2倍になるまでの年数をかんたんに見積もる方法と、単利との違い、借金やインフレへの応用、計算するときの注意点を、投資初心者にもわかりやすく整理します。こんにちは。もりおです。「複利がすごいって聞くけど、実際どれくらいすごいんやろ?」と感じている方も多いのではないでしょうか。今回は暗算でできる72の法則を手がかりに、複利の力を数字で確かめていきます。
・複利という言葉は知っているが、仕組みをうまく説明できない方
・新NISAやiDeCoで積立投資を始めたばかりの初心者の方
・利回りの違いが将来の資産にどう影響するのか知りたい方
・リボ払いやローンの金利が気になっている方
1. まずは複利の仕組みをおさらい
1.1 単利と複利の違い
利息のつき方には「単利」と「複利」の2種類があります。単利は、最初に預けた元本にだけ利息がつく方式です。毎年同じ額の利息が増えていくので、資産はまっすぐな線を描くように増えていきます。
一方の複利は、元本に加えて「これまでについた利息」にも利息がつく方式です。利息が利息を生むため、時間がたつほど増え方が大きくなり、グラフにすると後半ほど反り上がる曲線になります。投資信託の分配金を受け取らずに再投資する場合や、株の配当を再び投資に回す場合も、考え方は複利と同じです。
1.2 複利の効果は「時間」で大きくなる
複利の効果は、最初の数年ではあまり目立ちません。単利との差が開いてくるのは、10年、20年と長く続けたあとです。そのため、複利を味方につけるには「早く始めること」と「途中でやめずに続けること」が大切だといわれます。
ただ、「長く続けるとどれくらい増えるのか」は、複利の計算式を使わないとなかなかイメージしにくいものです。そこで役に立つのが、次に紹介する72の法則です。
2. 72の法則の使い方と計算例
2.1 計算式はとてもシンプル
72の法則の計算式は、次のとおりです。
72 ÷ 年利(%) ≒ 資産が2倍になるまでの年数
金融広報中央委員会(知るぽると)の資料などでも、お金が複利で2倍になるまでの期間をつかむ目安として紹介されている考え方です。逆に「何年で2倍にしたいか」から必要な利回りを逆算することもでき、その場合は「72 ÷ 年数 ≒ 必要な年利」となります。
2.2 利回りごとの試算例
いくつかの利回りで試算すると、次のようになります(いずれも仮の利回りで、税金や手数料は考えていません)。
①年利1%の場合:72 ÷ 1 = 約72年
②年利3%の場合:72 ÷ 3 = 約24年
③年利4%の場合:72 ÷ 4 = 約18年
④年利6%の場合:72 ÷ 6 = 約12年
⑤年利8%の場合:72 ÷ 8 = 約9年
利回りがわずかに違うだけで、2倍になるまでの年数が大きく変わることがわかります。さらに、2倍になったお金がまた同じ年数で2倍になるため、例えば年利6%の試算なら、約12年で2倍、約24年で4倍、約36年で8倍が目安になります。これが「複利は雪だるま式に増える」といわれる理由です。
2.3 なぜ「72」なのか
72という数字は、複利で2倍になる年数を求める本来の計算式を、暗算しやすいように近似したものです。72は2、3、4、6、8、9、12など多くの数で割り切れるため、日常的によく使われる利回りで計算しやすいという利点もあります。あくまで「おおよその目安」を素早く知るための道具だと覚えておきましょう。
3. 72の法則は「増える話」以外にも使える
3.1 借金やリボ払いの金利にも当てはまる
複利の力は、お金を増やすときだけでなく、借金が膨らむときにも同じように働きます。返済をせずに利息が積み重なっていくと、72の法則と同じ考え方で借入残高が増えていきます。
例えば、仮に年利15%の借入れを返済せずに放置したとすると、72 ÷ 15 で約4.8年、つまり5年足らずで残高が2倍になる計算です。実際のリボ払いやカードローンでは毎月返済するため単純には当てはまりませんが、「金利が高い借金ほど早く膨らむ」ことを実感するには十分な目安になります。投資を始める前に、高金利の借金を先に減らすことが勧められるのはこのためです。
3.2 インフレでお金の価値が半分になる年数
72の法則は、物価上昇(インフレ)によってお金の価値が目減りするスピードを考えるときにも使えます。物価が上がり続けると、同じ金額で買えるものが少しずつ減っていきます。
仮に物価上昇率が年2%で続いたとすると、72 ÷ 2 で約36年後には、今と同じ金額で買えるものがおよそ半分になるイメージです。預金の金利が物価上昇率を下回る状態が続くと、通帳の金額は減っていなくても、実質的な価値は減っていることになります。資産運用を考えるきっかけとして、こうした視点を持っておくことも大切です。
4. 72の法則を使うときの注意点
4.1 あくまで「目安」であり、将来を約束するものではない
72の法則は、利回りが毎年一定で続くことを前提にした計算です。実際の投資では、株価や基準価額は上がったり下がったりを繰り返し、毎年同じ利回りが得られるとは限りません。過去の平均利回りをそのまま当てはめても、将来も同じ結果になるとは言い切れない点に注意しましょう。
4.2 税金・手数料・利回りの高さに気をつける
試算では税金や手数料を考えていませんが、実際には運用益に税金がかかったり、信託報酬などのコストが差し引かれたりします。コストの分だけ実質的な利回りが下がるため、2倍になるまでの年数は試算より長くなります。
また、72の法則は利回りが高くなるほど、本来の計算とのずれが大きくなる傾向があります。そもそも高い利回りをうたう商品は、そのぶんリスクも大きいのが一般的です。「72の法則で計算したら短期間で2倍になる」という宣伝文句を見かけたときは、その利回りがどんな根拠にもとづいているのかを確認することが大切です。
4.3 積立投資では「2倍の年数」がそのまま当てはまらない
72の法則は、最初にまとまったお金を一度に預けたときの考え方です。毎月少しずつ積み立てる場合は、後から入れたお金ほど運用期間が短くなるため、積立総額が2倍になる年数とは一致しません。積立の将来額を知りたいときは、金融庁が公開している「資産運用シミュレーション」などのツールを使うと、毎月の金額や期間を入れて試算できます。
5. まとめ
5.1 72の法則のポイント
今回は、複利の力を数字で実感するための72の法則について解説しました。ポイントを振り返ると、次のとおりです。
①計算方法:72を年利で割ると、資産が2倍になるまでのおおよその年数がわかる
②複利の性質:利息にも利息がつくため、年数がたつほど増え方が大きくなる
③応用:借金の膨らむスピードや、インフレによるお金の目減りも見積もれる
④注意点:利回りが一定という前提の目安であり、税金・手数料・価格変動は考慮されていない
72の法則は、暗算で複利の力をイメージできる便利な道具です。まずは自分の預金や投資信託、借入れの金利に当てはめて、「何年で2倍になるのか」を一度計算してみてはいかがでしょうか。数字で見ることで、長く続けることやコストを抑えることの意味が、より身近に感じられるはずです。
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